
職場には不思議な現象がある。
忙しい人ほど仕事が増える。
そして暇な人ほど仕事が増えない。
冷静に考えると不思議な話だ。
本来であれば、余裕のある人へ仕事を振った方が効率は良い。
それなのに現実は違う。
なぜだろうか。
仕事ができる人に仕事が集まる
理由は単純だ。
安心だからである。
頼めばやってくれる。
期限を守る。
途中で投げ出さない。
報告もしてくれる。
だから仕事を振る側は安心する。
もちろん悪意はない。
むしろ信頼の証と言えるだろう。
しかし、その信頼には一つ問題がある。
仕事が終わると、さらに仕事が増えるのである。
責任感という才能
責任感は素晴らしい能力だ。
周囲から信頼される。
任される。
頼りにされる。
組織にとって必要な存在になる。
しかし責任感には弱点もある。
断るのが苦手なのだ。
本当は余裕がない。
本当は厳しい。
それでも、
「自分がやった方が早い」
「誰かがやらなければならない」
そう考えて引き受けてしまう。
そして気付けば、自分だけが大量の荷物を抱えている。
感謝の言葉の落とし穴
仕事を任せる側も、何も考えていないわけではない。
感謝している。
助かっている。
頼りにしている。
それは本心だろう。
だから、
「いつもありがとう」
という言葉が返ってくる。
しかし責任感が強い人ほど、この言葉に弱い。
怒鳴られるよりも断りにくい。
期待されると頑張ってしまう。
感謝されると引き受けてしまう。
そして少しずつ、自分の限界を超えていく。
本人も気付いていない
厄介なのは、本人も最初は嬉しいということだ。
信頼される。
必要とされる。
頼られる。
それは誰だって悪い気はしない。
しかし年月が経つにつれ、状況は変わる。
責任だけが積み上がる。
仕事だけが増えていく。
そしてある日、ふと思う。
「なぜ自分ばかり」
と。
しかし周囲から見れば、これまでずっと引き受けてきた人なのだ。
だから誰も異変に気付かない。
最後に
責任感は長所である。
しかし長所は時として、人を苦しめる。
責任感があるから信頼される。
信頼されるから仕事が集まる。
仕事が集まるから苦しくなる。
これは決して珍しい話ではない。
むしろ多くの職場で起きている。
では、責任感が強い人はどうすれば良いのだろうか。
仕事を断ればいいのだろうか。
責任感を捨てればいいのだろうか。
おそらく違う。
必要なのは別の技術である。
次回は、
『責任感が強い人にこそ、責任を返す技術が必要になる理由』
について考えてみたい。







