LifeFixNote|現場と生活の改善メモ

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セキュリティ様は私を守りすぎている

皆さんはECサイトなどで買い物をしたことはあるだろうか。

そして、ログインのためのセキュリティ様を信用しているだろうか。
私はしていない。
なぜなら彼は、私が私であることを頑なに認めてくれないからだ。

私は個人的に、ネット通販というものを仕事以外ではほとんど利用しない。

しかし、現代においてAmazon様のようなECサイトはインフラである。
誰もが利用している。
しかし私は、数年前にアカウントを作成したきり、長らく彼とは疎遠になっていた。
買い物もしていない。
クレジットカードも登録していない。
完全に放置である。


ある日、私は久しぶりにAmazon様の元へ向かった。
ログイン画面にIDとパスワードを入力する。
すると彼は言った。
「Authenticator(認証アプリ)のコードを入力してください」
なんだこれは…意味が分からない。
私はそんなものを設定した記憶はない。
皆さんはどう思うだろうか。
設定していないパスワードを求められる。
やられた…不正アクセスだ。

私はこう考えた。
どこかの誰かが私のアカウントを乗っ取り、勝手に強固な鍵をかけたのだ。
私は怒りに震えた。
許せない。


私はすぐさまカスタマーサポートに電話をかけた。
オペレーターの方は丁寧だった。
私は事情を説明した。
ログインできるようにしてほしい。
あるいは、気持ち悪いのでアカウントごと削除してほしい、と。
すると、オペレーターは言った。
「できません」
本当に意味が分からない。
なぜ私が私のアカウントを削除できないのか。
調査を進めると、驚愕の事実が判明した。
近年、サイバー犯罪の激化に伴い、Amazon様のセキュリティは異常なほど高まっているらしい。
数年間放置されたアカウントに、突然ログインを試みる。
それは彼にとって「極めて異常な事態」なのだそうだ。
つまり、乗っ取り犯が鍵をかけたのではない。
Amazon様自身が「こいつは偽物に違いない」と判断し、私を全力でシャットアウトしたのである。
私が私を不正アクセスしていたのだ。
私は少し反省した…少しだけ。


しかし、私だって本人である。
オペレーターに本人確認をしてもらえば済む話だ。
「本人確認のため、お客様にしか分からない質問を3つさせていただきます。全問正解でロック解除となります」
なるほど。
実に合理的だ。
さぁ、かかってこい。
「……お客様は買い物履歴も、クレジットカードの登録もございませんね」
「はい」
「質問する内容がないので、ロック解除できません」
「え?」
「お客様がログインできない以上、アカウントの削除もできません」
なんという結末。
買い物履歴がない。
クレジットカードもない。
つまり、個人情報が一切ない。
だから本人確認の質問が作れない。
質問が作れないから、ロックは永久に解除されない。
解除されないから、退会もできない。
完璧な防衛システムである。
誰も入ることはできない。
もちろん、本人である私を含めて。

 

考えてみてほしい。
中身が完全に空っぽの段ボール箱に、銀行の金庫に使われるような数億円の分厚い扉を取り付けている状態である。
過剰防衛だ。
工場の品質管理で言えば、明らかな「過剰品質」である。

私は当初、Amazon様に怒っていた。
しかしカスタマーサポートとのやり取りを終えた頃には、このブログの下書きを考えていた。
人間というのは現金な生き物である。


しかし今回の一件で分かったことがある。

近年はアカウント乗っ取りなどの被害が増えているらしい。

だからAmazon様は、少しでも怪しい動きをすると容赦なく締め出す。

実際には私も守られていたのだ。

本人なのに……。
Amazon様は悪くない。
ちゃんと仕事をしている。
顧客のアカウントを命がけで守っている。
実に真面目な方である。


問題は私の方ではないだろうか。
何年も放置し。
情報も登録せず。
突然やってきて「入れろ」と騒ぐ。
Amazon様からすれば、迷惑な話である。
私は新しいアカウントを作ることにした。
古いアカウントは、今も強固な金庫の中で、空っぽのまま誰にも触れられずに守られ続けている。
永遠に。


私はAmazon様を信用していない。
融通が利かなすぎるからだ。
しかし、その警備力は本物である。
次にアカウントを作る時は、せめて質問ができるくらいには、何か買っておこうと思う。
長い付き合いにするためには、そういう気遣いが必要なのかもしれない。